インスリン療法|恋ヶ窪内科クリニック|恋ヶ窪駅徒歩4分の内科・糖尿病内科・耳鼻咽喉科

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インスリン療法

インスリン療法|恋ヶ窪内科クリニック|恋ヶ窪駅徒歩4分の内科・糖尿病内科・耳鼻咽喉科

インスリンとは

インスリンはすい臓で作られる血糖値を下げるホルモンです。人が食事によって糖質を摂取すると、その糖質はブドウ糖となり、小腸から血液中に吸収されます。血液に流れるブドウ糖が増えると、インスリンという糖を分解するホルモンが分泌され、血液中の糖濃度を調整します。しかし、糖尿病の患者様は、インスリンを充分に分泌できなかったり(インスリン分泌低下)、インスリン作用が効きづらくなったり(インスリン抵抗性)するため、血糖値が上がってしまいます。

糖尿病についての詳細はこちら

インスリン治療は最後の手段?

インスリン治療と聞くと、「一生注射を打ち続けなければいけない」というネガティブな印象を抱くことがあると聞きます。多くの人は、糖尿病が進行したり、自己管理が難しい場合に使われる最終手段と思われているのではないでしょうか。しかし、この考え方は古いもので、最近では早い段階でインスリン治療を検討することがよくあります。なぜなら、糖尿病の初期段階では膵臓がまだ十分なインスリンを生産しようと頑張っているのですが、血糖値を下げるために過度に負担がかかり、膵臓の疲労を引き起こすことがあるためです。早期に適切な量のインスリン治療を導入することで、膵臓の負担を軽減し、その機能を回復させることが可能です。

インスリン療法が必要なケースとは

糖尿病とは、インスリン作用が充分でないために、血糖が筋肉や肝臓へ移動せず、血糖値が高いままになっている状態を指します。

インスリン作用が不十分になる理由は2つパターンがあります。

インスリンの分泌が不足している場合(インスリン依存状態)ー①
インスリンの効果が低下している場合(インスリン抵抗性または糖毒性)ー②

①の場合は、インスリン治療が必要になります。一方で、②の場合には、必ずしもインスリン治療が必要とは限りません。しかし、すい臓の疲労を回復させる目的から、一時的にインスリン治療が検討されることがあります。

インスリン療法導入のタイミングとは

インスリン療法が適応となる患者様は、必ず必要な場合(絶対的適応)と、必ずではないが必要な場合(相対的適応)の2つに分けられます。

インスリン療法の絶対的適応

  • インスリン依存状態
  • 高血糖性の昏睡(糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態)
  • 重症の肝障害、腎障害を合併しているとき
  • 重症感染症、外傷、中等度以上の外科手術(全身麻酔施行例など)のとき
  • 糖尿病合併妊婦(妊娠糖尿病で、食事療法だけでは良好な血糖コントロールが得られない場合も含む)
  • 静脈栄養時の血糖コントロール

インスリン療法の相対的適応

  • インスリン非依存状態の例でも、著明な高血糖(たとえば、空腹時血糖値250mg/dL以上、随時血糖値350mg/dL以上)を認める場合
  • 経口薬療法のみでは良好な血糖コントロールが得られない場合
  • やせ型で栄養状態が低下している場合
  • ステロイド治療時に高血糖を認める場合
  • 糖毒性を積極的に解除する場合

引用:日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2018-2019, 文光堂, 61-62, 2018

インスリン製剤の種類

効果が現れるまでの時間や効果が持続する時間は製剤によって異なります。インスリン製剤の種類は様々あり、一人一人のライフスタイルやご要望に合わせて処方いたします。下記にインスリン製剤の種類の特徴を記載いたします。

インスリン製剤の種類

インスリン治療に関するよくあるご質問

インスリンの治療方法は?

主にお腹の皮膚にご自身で行う皮下注射での治療です。注射と聞くと“痛そう!”と連想されるかと思いますが、一般的に想像するような採血用の注射針と比べて、インスリン注射の針は目を凝らさないと見えないほど非常に細く作られており、もともと感覚が鈍いお腹の皮膚への注射ということもあり、ほとんど痛みはありません。インスリンには速効型や時効型など様々なタイプの注射が存在し、医師が最適な治療方法をご提案します。また、適切な治療計画を立てるためには日々の血糖推移の把握が重要であり、定期的な自己血糖測定も大切です。

インスリン治療は一旦開始すると、一生やめられないですか?

そんなことはありません。生活習慣が元となる2型糖尿病の方は、インスリン治療開始後の血糖コントロールの状態をみて、内服薬などでの治療へ移行することがあります。むしろ長期的なインスリン療法が必要となってしまう手前で、一時的にインスリン療法を組み合わせることで、糖尿病の重症化を防ぐ結果につながるケースもあります。一方で、体内のインスリン分泌が無い、もしくは非常に低下している1型糖尿病の方は、基本的にインスリン治療の継続が必須となります。

インスリン療法を始めるときは、どのように開始するのでしょうか?

当院では、まず治療初回時にスタッフからインスリン治療の方法を院内でレクチャーさせていただきます。注射器の使用方法とあわせて、インスリン治療における注意点や、自己血糖測定の方法などもお伝えさせて頂きます。治療中、疑問や不安を感じる場合は、医師やスタッフまで何度でもお気軽にご相談ください。

インスリン療法の欠点は何ですか?

適切な投与量やタイミングを守らないと、低血糖が発生するリスクがあります。そのため生活スタイルや体調などにあわせ、医師と相談しながら治療に取り組むことが重要です。また、内服薬のみでの治療に比べて費用がかかることがデメリットと言えます。

インスリン療法の費用はいくらですか?

3割負担の方の場合、内服薬のみでの治療と比べて病院での支払いが+¥3,000~¥4,000ほど、薬局での支払いが+¥500~¥1,000程が想定されます。また、インスリン治療開始直後の3か月は、保険算定の都合上さらに+¥2,000程の費用がかかります。

インスリン治療を始めたら食事制限や運動はいらないの?

インスリン治療を始めた場合も、食事制限や運動は非常に重要です。適切な食事・運動習慣は、急激な血糖値の増減を防ぎ、インスリンの働きを助け、血糖の安定化につながります。その結果、インスリンの減量や内服治療への移行につながることもあります。

インスリンを打っているところを周りに見られたくないのですが…

病態によって、1日1回だけや、朝晩の2回だけ家でインスリンを注射すれば、一日中血糖値を安定させられる場合もあります。ご不安な点はどうぞご相談ください。

糖尿病のかかりつけ内科をお探しの方へ

糖尿病の原因は様々あります。糖尿病の要因でよく聞く、生活習慣の乱れ(いわゆる不摂生)というのはあくまで原因の一つに過ぎず、例えば元々すい臓でインスリンを作る力が弱い方、肝臓の病気や甲状腺の病気などを持っているために血糖値が不安定になりやすいといった方もいます。
また、血糖値の変動についても、常に血糖値が高い状態の方もいれば、高血糖と低血糖を大きく繰り返している状態の方もいます。これは、平熱が高い人もいれば、低い人もいるという感覚と一緒です。
恋ヶ窪内科クリニックでは糖尿病治療の悩みが少しでも解消できるよう、患者様一人ひとりに真摯に向き合った糖尿病治療を心がけてまいります。

当院には女性の糖尿病専門医も在籍しておりますので、ご希望の方は金曜日午前中の糖尿病専門外来をぜひご予約ください。