耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科
一般的な耳・鼻・のどの病気に加え、めまい、アレルギー性鼻炎、睡眠時無呼吸症候群などの治療を行います。
一人ひとりの声に耳を傾け、その方に適した治療をご提案いたします。些細な不安や心配でも、気になる症状がある際は、どうぞお気軽にご相談ください。
このような症状の方はご相談ください。
人は音源から生じた空気の振動を感じて音を認識し、音により生じた鼓膜の振動は、鼓膜の奥の小さな骨(耳小骨)を伝わり内耳に到達します。内耳では振動を電気信号に変換し、聴神経を伝わり脳へ到達して音として認識されます。
難聴は、この過程が障害されることで起こります。音の振動がうまく内耳まで伝わらないことで生じる難聴を伝音難聴といい、内耳が障害され、聴神経がうまく伝達できないことで生じる難聴を感音難聴といいます。
伝音難聴を生じる病気には滲出性中耳炎、慢性中耳炎などがあり、感音難聴には、突発性難聴や内耳炎、加齢性難聴、聴神経腫瘍などがあります。
かぜをひいた後に発症することが多く、副鼻腔内に感染が波及することにより起こります。膿のような鼻汁が出て、頬や目の奥が痛みます。頭痛、頭重感、発熱などを伴うこともあります。
小児は大人に比べて副鼻腔炎になりやすい傾向があります。速やかに薬物治療を開始することで、慢性副鼻腔炎に移行しないケースがほとんどです。
絶えず色のついた鼻水が出る、常に鼻がつまり口で呼吸をしている、においを感じにくい、いびきをかくといった症状があります。治療は鼻内の清掃、抗生剤や去痰剤、抗アレルギー剤などによる薬物療法を行います。
治らない場合はより専門的な医療機関へご紹介する場合があります。
アレルギー性鼻炎は、スギ花粉などによって引き起こされる季節性アレルギー(花粉症)と、ダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギーに大別されますが、どちらも混在していることもしばしばあります。
花粉症は、春はスギ、ヒノキ花粉、夏はイネ科、秋はブタクサなど、季節によってアレルゲンとなる花粉の種類が異なりますが、複数の花粉にアレルギーが認められる方も珍しくありません。症状は季節性・通年性のいずれも、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、充血などです。
治療としては、原因が特定できる場合は、可能な限り原因の回避と除去(こまめな掃除など)を行います。アレルギー性鼻炎の薬物療法は広く行われており、症状や重症度に応じて抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などを用います。
アレルギー性結膜炎では、アレルギー反応を抑える抗アレルギー点眼薬などによって、目のかゆみの症状を改善します。
このようなアレルギー性疾患は、正しい診断と治療で症状の改善が期待できます。
つらい花粉症の症状にお悩みの場合、早めに受診されることをお勧めします。
咽頭に炎症を来す病気です。かぜをひいてのどが痛いときなどは、ほとんどのケースで咽頭炎が認められます。
咽頭は感染を起こしやすい部位で、気温の変化や疲れなどで抵抗力が低下し、細菌やウイルスが感染すると、のどが赤く腫れることがよくあります。
原因としてはウイルス感染が多いといえますが、溶連菌、マイコプラズマ、淋菌などの細菌感染やクラミジアが原因のこともあります。のどの違和感や飲みこむときの痛みに伴って、倦怠感や発熱を生じることもあります。
めまいの中で最も多い疾患です。寝返り、起床時、臥床時などで頭の位置や頭を動かすことによって誘発されます。回転性のめまいで数秒から数十秒で治まり、難聴や耳鳴は伴いません。内耳にある耳石の一部がはがれそれが半規管を浮遊し、頭の動きで移動するためにめまいが生じます。
難聴、耳鳴、耳のつまり感など、聴覚症状を伴うめまいを繰り返す病気です。
「目が回って立っていられない」「まわりの景色がぐるぐる回る」という特徴的な症状が現れます。
聴こえの症状は、めまいの前後に悪化し、めまいが治まるとともによくなりますが、発作を繰り返すにつれて悪化していくこともあります。内耳のリンパ液が過剰な状態になることが原因とされており、その誘因として様々なストレスが関係していると考えられています。診断は、聴力検査と眼の動きを観察する眼振検査を行います。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に一時的に呼吸が止まる疾患です。
睡眠中、平均して1時間に5回以上起こり、それぞれ呼吸停止が10秒以上認められる場合には、この疾患の可能性があります。代表的な症状は“いびき”で、眠りが浅くなるため、日中に強い眠気や倦怠感を生じることがあります。
放置すると、血管・心臓・脳に大きな負担がかかり、高血圧症や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを合併することもあります。
できるだけ早く診断し、治療をはじめることが大切です。
原因には鼻から喉頭(のどぼとけ)にかけての狭窄があります。狭くなった気道のすき間を空気が通ることで“いびき”が生じます。いびきの要因は、肥満による首や喉(のど)まわりの脂肪沈着、あごが十分発育していない小顎症(しょうがくしょう)、扁桃肥大、舌根(ぜっこん)・口蓋垂(こうがいすい)・軟口蓋(なんこうがい)による狭窄など、解剖学的なものがあります。また、加齢や睡眠時における呼吸の調節能力の低下など、機能的な要因も関連します。
睡眠時無呼吸症候群は、男性は30~60代によくみられ、女性は更年期以降に多く、閉経によるホルモンバランスの変化も一因とされています。
治療には対症療法と根治療法があり、症状の程度や原因に応じて選択します。代表的な対症療法には、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)とマウスピース療法があります。
CPAP療法は中等度から重症度に有効な治療法です。睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を開存させて治療します。睡眠中の無呼吸・いびきが減少し、眠気の改善や血圧を下げる効果も期待できます。
マウスピース療法は軽症度に適した治療法です。睡眠時にマウスピース(スリープスプリント)を装着し、下あごを前方に出すように固定することで、上気道を広く保ち、無呼吸やいびきの発生を防ぎます。
原因が肥満の場合は減量が根治療法であり、対症療法を組み合わせて進めます。あごの小ささや扁桃肥大などが原因の場合は、手術が根治療法となります。鼻疾患を有している場合、マウスピースやCPAP療法で十分な効果が得られないことがあります。このような場合も手術が検討されます。
このほかに、口呼吸の予防・治療に有効な口腔筋機能療法や、寝る向きを矯正する体位療法などが有効なこともあります。
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を毎日ゆっくり体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法のことです。舌の下に治療薬を投与する、自宅でできる治療法です。現在、「スギ花粉症」と「ダニアレルギー」の治療薬が処方可能です。
正しく治療を受けることで、アレルギー症状を長期にわたり抑えることが期待できます。
以下に該当する方は、ぜひ医師にご相談ください。
・スギ花粉やダニが原因で抗アレルギー薬がなかなか手放せない方
・アレルギー症状が勉強や仕事の支障となるので、少しでも良くしておきたい方
・家の中にいると鼻や喉がムズがゆくなる方
・種々のアレルギー症状に対して、原因から治す「根本治療」を期待している方
5歳未満の方、重い気管支喘息をお持ちの方、がんや免疫系の病気がある方、妊娠中の方などは治療の適応外となります。
その他ご心配な点などございましたら、医師にご相談ください。