
1.救急・集中治療の15年から、予防医療への転身
インタビュアー
與澤先生は、これまで救急医療や集中治療など、急性期の最前線で活躍されてきました。そこから地域の患者様に寄り添い、健康寿命を延ばしたいと考えるようになった具体的なきっかけや、現在の診療に活かされている経験についてお聞かせください。
與澤先生

何か一つの大きなきっかけがあったわけではありません。ただ、急性期の病院では、特に心筋梗塞などの心臓疾患で、運ばれてから1時間以内に治療をしても、残念ながらお亡くなりになる方を多く見てきました。 患者さんに対して、言葉を選ばずに言えば「生きているだけでラッキーだと思ってください」と伝えざるを得ないほど厳しい病気です。そうした現場に15年ほど携わる中で、「急性期の前段階から関わっていれば、もっと違う結末が待っていたのではないか」と考えるようになり、今の地域医療の道を選びました。
インタビュアー
その経験は、日々の診療にどのように反映されていますか?
與澤先生
救急の現場では常に「生きるか死ぬか」の判断を迫られます。そのため、重大な疾患を見逃さないようにする癖がついているのは、循環器医としての強みだと考えています。そこをポイントとして診療に活かしていきたいですね。
2.循環器専門医が加わることによる、地域医療へのメリット
インタビュアー
ありがとうございます。当院には高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の患者様が多く来院されます。一般的な内科診療の中に、循環器の専門的な視点が入ることで、患者様にはどのような安心感やメリットがあるとお考えですか?
濱田理事長

当院は開院当初から、地域の皆様の健康を守るためには「予防医療」が非常に大切だと考え、特に生活習慣病の治療を重視してきました。今回、循環器内科を専門とする與澤先生が仲間に加わったことで、高血圧や脂質異常症、さらにそれらと密接に関係する心不全や動脈硬化性疾患、不整脈の治療などについても、より専門的に診ていけるようになりました。これは当院が地域の健康を末永くサポートさせていただくにあたって、非常に大きなメリットだと考えています。
インタビュアー
理事長は家庭医として幅広くお悩みに対応されていますが、どのような症状の際に、専門医との密な連携が重要になるとお考えですか?
濱田理事長
まず1つに、当院は複数科目の専門医が在籍していることで、健康診断などで異常を指摘された患者さんが安心して相談できるクリニックでありたいと考えています。健康診断で異常を指摘されるととても不安に感じると思いますし、「どこに相談しに行ったらいいのだろう?」とわからず、結局そのまま放置してしまうようなケースもあるかと思います。当院では各科目の専門医が連携してご対応できる強みを活かし、ケースに合わせて最適の対策をご提案することで、患者さんの大きな安心につなげていただきたいと考えています。 もう1つは、鑑別診断(可能性として考えられる病気)が多岐にわたるような症状に対してもきちんと対応できることです。たとえば「動悸」や「むくみ」といった症状は、心臓の不調が原因の場合もあれば、腎臓などその他の臓器の異常、甲状腺などのホルモン異常、貧血、精神的なストレスや自律神経の乱れなどが原因である場合もあります。当院は一つのクリニックの中に総合診療科、糖尿病・内分泌代謝科、耳鼻咽喉科、そして循環器内科の専門医が在籍しています。診断を進める中で必要に応じて各科の医師が患者さんの情報を共有し、最適な対応ができるよう心がけています。
3.「心臓リハビリ」の知見を活かした、自覚症状のない病気へのアプローチ
インタビュアー
與澤先生、先生はプロフィールの中で「健康寿命を延ばすこと」を掲げられています。心臓リハビリテーションの知見をお持ちの先生から見て、日々の診療でどのようなアドバイスをされていますか?
與澤先生
高血圧や糖尿病などは自覚症状が全くないため、患者様も重要性を捉えにくい傾向があります。しかし、放置すれば生命に関わる病気につながります。そのため、月に1度の通院の際に、ご自宅での食生活や運動習慣を毎回聞き取り、「自分は病気である」という意識を持っていただくためのアプローチを大事にしています。
インタビュアー
心臓リハビリや在宅医療の経験は、外来診療にどう活かされていますか?
與澤先生

クリニックに来られる患者様は、ご自身の足で歩ける(ADLが自立している)方がほとんどです。ですので、ジムでの運動というよりも、「家から病院まで歩くスピード」や「歩き方」といった日常の小さな動作を、その人その人に合わせて変えていけるようアドバイスしています。リハビリの知識が、健康寿命を延ばすためのお手伝いに役立っていると感じます。
4. 地域の皆様へメッセージ
インタビュアー
最後に、今後どのようなチーム医療を届けていきたいか、受診を迷われている地域の方々へメッセージをお願いします。
濱田理事長
これからも当院では各医師・スタッフが密に連携を取りながら、皆様の健康のお悩みに幅広く対応できるよう取り組んでいきたいと思っています。心配なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
與澤先生
動悸、息切れ、めまいなど、本当に小さな症状で構いません。たとえ病気でなかったとしても安心につながりますので、その都度、相談しに来ていただければと思っています。
