
Q1:開院から1年半、連携の現状について
インタビュアー
お隣に皮膚科が開院して1年半が経過しましたが、どのような1年半でしたか?
内科・濱田院長

そうですね、私はもともと地域の方々の健康に幅広く対応したいという思いで、まず最初に内科クリニックをつくりました。昨年、皮膚科を新たに開院したことで、より幅広く皆さんの健康づくりにお応えできるようになったことを本当に嬉しく思っています。皮膚科開院後1年が過ぎて、両院の連携もますますスムーズになり、引き続き良い診療を目指してお互い切磋琢磨しているところです。
皮膚科・青木院長

最初はやはりスタッフも慣れていないところがあり、バタバタしていることがほとんどでした。しかし、だんだんと診療を滞りなく通せるようになりましたし、患者さんの認知も少し上がってきたかなという実感があります。以前は「皮膚科はどこに行ったらいいかわからない」といった声があったのですが、最近は「ここに皮膚科があるって誰々さんから聞いて」というお話も聞くようになったので、少しずつ地域の皆さんにも認識されてきたのかなと感じています。
Q2:内科と皮膚科の具体的な連携内容
インタビュアー
どういった疾患で連携されてらっしゃいますか?また、情報共有の仕方についても教えてください。
内科・濱田院長
内科では元々、例えば湿疹など皮膚のトラブルのご相談が非常に多かったんです。初期対応できることもあれば、判断に迷うこともありますが、隣に専門の皮膚科があることで、随時皮膚科の先生とその場で相談をしながら、より良い対応をできるよう心がけています。必要に応じて患者さんに皮膚科の受診をお勧めし、より専門的な治療をご案内することができています。
皮膚科・青木院長

皮膚科で今、アトピーの患者さんが多いのですが、アトピーの治療においてこれまでの治療とは違う全身治療として、注射を使った生物学的製剤という特殊な治療があります。これを実施する際には、事前の検査で感染症のスクリーニングをする必要があり胸のレントゲンを撮ってもらったり、あるいは、いざ治療中に副作用が出た時にすぐに内科と連携して治療することができるという流れが確立しています。
これは、今まで単発で皮膚科をやってた時には、連携できるところがなかったので、患者さんに薬を勧めたくても治療ができなかったという問題があったのですが、この恵まれた立地条件のおかげで、同じ法人内で診られますという体制になり、どんどんその薬を使えるようになり、治療の選択肢を広げることができています。これが一番実感する、実践できている連携だと考えます。また職員同士も、顔を見て直接お礼が言えたりすぐに相談できたりすることで、信頼感を高めながらチームとして医療に当たれることはメリットだと考えています。

Q3:患者さんにとってのメリット
インタビュアー
内科と皮膚科が密接に連携することで、患者さんにとってどういった良さがあるとお考えですか?
内科・濱田院長
健康づくりのためには何事も予防や早期発見が大切だと考えています。病気の症状の出方は様々で、内科の症状で始まることもあれば、皮膚の症状で見つかることもあります。同じ法人内でいくつも受診の窓口を持っていることによって、早く病気に気づけることもあります。
また、健康診断をあまり受ける習慣がない方であっても、お肌のトラブルというのは目に見えて気になる部分かと思いますので、普段病院はあまり行かないけど皮膚科は行ってみよう、とお考えになるケースがあるかと思います。その際に例えば「そういえば健康診断をしばらく受けていないな」「意外と内科も気軽に相談できそうだな」と気が付いていただくチャンスになるかもしれません。健康づくりのきっかけをご提供するためにも、健康相談の窓口が広がったことはとても良かったと思っています。
皮膚科・青木院長
皮膚も同じで、デルマドロームと言いますが、体の中の癌や内臓疾患の症状の一つが皮膚表面に出てくるというものが結構あったりします。そういったものを見つけた時に、専門の内臓的な治療のところにどう繋げればいいか、という連携がしやすいのが良い点です。
また、私が長年皮膚科を専門でやっている分、内科の高度な治療に関する知識が古くなってしまっているところがあるのですが、例えば、先日も貧血のデータについて細かくどう評価したらいいかを診療時間外に相談しに行くなど、「近いこと」を活かして困った時にすぐに専門的な相談ができるというのはとても良いなと思っています。お互いの顔を見てお礼を言えることで、信頼関係を構築しながらチームとして治療にあたれることもメリットだと考えます。
Q4:今後の展望
インタビュアー
今後、内科・皮膚科の連携をさらに発展させていくために、注力したいと考えていらっしゃる展望についてお聞かせください。
内科・濱田院長
内科と皮膚科の職員が、お互い情報交換をして切磋琢磨しながら、それぞれの科目について勉強し、一緒に成長していけるよう、これからも連携して共に成長していきたいと思っています。
皮膚科・青木院長
ほぼ同じ意見ですが、ドクター以外の職員なしでは診療は成立しないものです。やはりお互いの特徴を知り合うのはとても重要なことだと思うので、ドクター側からも、勉強するポイントをアドバイスし、皆で高め合っていけたらなと思います。